川口英俊のブログ - 2014/09/07

川口英俊のブログ




2014年09月07日(Sun)▲ページの先頭へ
「 死後について 」 平成26年9月・秋彼岸墓前回向 配布資料
平成26年9月・秋彼岸墓前回向 配布資料

『 死後について 』

岩瀧山 往生院六萬寺 副住職 川口英俊

はじめに・・

皆様方には、平素より当寺にて御供養をお勤めして頂きまして、誠にありがとうございます。この度は、私が回答者として参加させて頂いております「hasunoha」(お坊さんがこたえるQ&Aサービス)における問答から、「死後について」を考えて参りたいと存じます。少しでも参考となりましたら幸いでございます。

問い「死んでしまったら無なんでしょうか?」
http://hasunoha.jp/questions/742

拙回答「コップとお茶の例え」

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

基本的に「中道」を説く仏教では、断滅論も常住論も退けることとなるため、何か実体として有ったものが無くなるということや、何か実体として存続していくものが有るということは言いません。

では死後において存続していくものが何であるのか・・前回の問いでは「心相続」と述べさせて頂いております。

問い「自殺した人の霊」
http://hasunoha.jp/questions/718

「心相続」について詳しく説明することは誠に難しく、残念ながら千字の回答字数制限内で到底うまく説明できるものではございません・・

ただ、実体として、独立自存として存在しているものではなくて、あくまでも因・縁(原因や条件)によって存在しているものということにはなります。仏教的には「空であり、縁起なるもの」という表現となりますが・・

よく使われる例えとして、コップにお茶が入っているとして、コップ・器を身体、お茶を心として、コップを落として壊してしまって、お茶をこぼしたとしても、お茶はお茶としてテーブルや床に一応はありますよね。でも、そのお茶も雑巾で拭き取ったり、拭いた雑巾を水で洗ったり、土壌へ捨てたり、乾いたり・・とすれば、お茶は私たちが一般で言うところの飲めるお茶では無くなってしまいますが、ただ、色々な条件や原因により変化していっているだけで、どこかへとお茶がまるごと消え去っていってしまったわけではありませんよね。

また、実体としてお茶があるとするならば、飲んだとしてもお茶はお茶のままで排泄されなければならないですし、宇宙の始まりから存在していることにもなりますが、そうでもありませんよね。

この世における存在・事象というものは、全て「縁起」なるもので、身体も心もそのようなものであります。また因縁さえ調えば、その心の連続体も(例えば人として)新たに色々と作用を現すことができるようになることも、もちろん十分に考えることはできます。

とにかく、この度は自死されてしまわれた彼氏様の心相続に、どうか善き赴き、御仏のお導きがありますようにと御供養をお勤めして頂けましたらと存じております。

川口英俊 合掌

・・拙回答ここまで。

仏教では、善因善果、悪因悪果の理を「因果応報」と申しますが、原因や条件があって結果があるという「因・縁・果の法」(因果の法)を重視して考えることになります。何も因・縁なしに結果が出ること、何も因・縁に依らずして何かが生じる、あるいは滅するということはありえません。この世における全ての存在・事象は、必ずや因や縁に依存して(依りて、「縁」りて)、「起」こっているという「縁起」の法を理解することと共に、依存して成立しているということは、つまり、独立自存・実体として成立していないという「空」であることの理解も求められるものとなります。

この「空と縁起」という考え方は、仏教思想・哲学における重要な視座であり、私たちは、その理解を誤りなくに進めることで、悟り・涅槃へと向けた智慧を開発していくことに努める必要がございます。

死後へと向けた「私」という存在も、当然に因・縁次第において、その向かう先である結果が決まっていくことになるものとして、上記の拙回答でも述べさせて頂いておりますように、空にして縁起なる存在としての「私」は、「無になる」というわけではなくて、その存続していくありよう(特に因・縁・果の流れにおける心の連続体・心相続のありよう)を考えていくことが大切となります。

例えば、上記の拙回答における「コップとお茶の例え」では、お茶を心の例えとして一応扱って考えておりますが、更に補足しますと、コップである身体が壊れてしまっても、お茶(心)の状態をより善くに保てることができれば、また、別のコップ(身体)へと移し替えることだってできるものとなります。例えば、こぼれてしまったお茶であっても、丁寧にきれいな布で抜き取って絞り、不純物を取り除くことができれば、多少の変化があっても、改めて飲むことのできるお茶(心)として別のコップ(身体)へと移すこともできることとなります。

このように考えますと、単純に同じとは言えないことでありますが、実際に死後もその心の性質・状態を大幅に変えることなく、新たにこの世に人間として生まれ変われるということもあり得ないことではないと、少しくでもご理解が頂けるのではないかと存じております。

例えば、実際にチベット仏教においては、高い境地に達した高僧が、自らの意思にて再び衆生を導いて救うべくに人間としての生まれ変わりを図るという「転生霊童」、「転生活仏」の例がございます。

もちろん、私たちにおいては、そこまでの高い境地に至れなくても、何とか今のうちから、より善き因・縁を調えることで、死後にも続く心の連続体(心相続)のより善き結果、より善き行き先(例えば、御仏が教えを説いておられる国である浄土)へと向けて、仏様とのご縁、仏法とのご縁に与(あずか)り頂いて、仏道を歩みて、いずれ悟り・涅槃へと至れるようにと精進努力していくことが大切になります。

今夏のお盆法話の際にも述べさせて頂いておりますが、仏教の基本原則は「七仏通誡偈」の内容となります。

「諸悪莫作 衆善奉行 自浄其意 是諸仏教」(しょあくまくさ しゅうぜんぶぎょう じじょうごい ぜしょぶっきょう)

「諸々の悪い行いをなさずに、善い行いに努め励みて、自らその心を浄らかにすること、これが諸々の御仏の教えである」

特に私たちの悟り・涅槃の妨げとなっている原因の三大要素としては、「無明(根本的な無知)・煩悩・悪業(悪い行い)」であり、更に二つにまとめると「煩悩障と所知障」というものとなります。

何とか智慧(空性の了解)と福徳(善徳・慈悲・利他行)の二資糧を円満に積むことにより、悟り・涅槃の妨げとなっている原因をしっかりと対治、排撃していくことが、これから先における悪い結果を回避して、より善い今後、将来へと向かうためにも大切なことになる次第でございます。

確かなる仏道を歩みて、皆共に、やがて無事に悟り・涅槃へと至れることができますようにと、これからも頑張って取り組んで参りましょう。

普回向・略三宝

「願わくは此の功徳を以て普く一切に及ぼし、我等と衆生と皆共に仏道を成ぜんことを
 十方三世一切の諸仏 諸尊菩薩 摩訶薩 摩訶般若波羅蜜」合掌


「ハスノハ」(hasunoha)お坊さんがこたえるQ&Aサービス紹介 

http://hasunoha.jp/

一昨年の11月より回答者として参加登録させて頂いております。超宗派にて参加している僧侶たちが様々な質問に対して、それぞれの知識・見解・体験等から回答していくサービスとなっております。スマートフォン・携帯からでもご利用頂けます。現時点にて、回答僧侶が54名となっており、拙生は416問(9/3時点)をこれまでに回答させて頂いております。

サイトの趣旨説明

「hasunoha(ハスノハ)は、あなた自身や家族、友人がより良い人生を歩んでいくための生きる知恵(アドバイス)をQ&Aの形でお坊さんよりいただくサービスです。あなたは、悩みや相談ごとがあるとき、誰に話しますか?友だち、同僚、先生、両親、インターネットの掲示板など相談する人や場所はたくさんあると思います。そのひとつに、「お坊さん」を考えたことがなかったのであれば、ぜひ一度相談してみてください。なぜなら、仏教は千五百年もの間、私たちの生活に溶け込んで受け継がれてきたものであり、お坊さんがその教えを伝えてきたからです。心や体の悩み、恋愛や子育てについて、お金や出世とは、助け合う意味など、人生において誰もが考えることがらについて、いろんなお坊さんからの回答を参考に、あなたの生き方をあなた自身で探してみてはいかがでしょうか。」

皆様もお坊さんへの質問や、お坊さんからアドバイスを受けたいことがありましたら、是非、ハスノハを利用されてみることをご一考下さいませ。

これまでに拙生がご回答させて頂きましたまとめの一覧

「hasunoha」拙回答まとめ集
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/

hasunoha・拙生の紹介ページ
http://hasunoha.jp/users/16

hasunoha・拙寺の紹介ページ
http://hasunoha.jp/temples/6

・・以上ここまで。

「Hasunoha」お坊さんがこたえるQ&Aサービス
http://hasunoha.jp/
スマートフォン・携帯ブラウザも対応となっております。

「hasunoha」拙回答まとめ集
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/

hasunoha・拙生紹介ページ
http://hasunoha.jp/users/16

hasunoha・拙寺紹介ページ
http://hasunoha.jp/temples/6

東日本大震災を機縁として立ち上がりました「hasunoha」に参画できましたこと、誠に感謝致しております。微力ながらにも一つ一つ少しずつでもお役に立てれる善行・功徳となりましたら、亡くなられました皆様への追善供養として回向申し上げたくに存じております。合掌

・・

【黒バス脅迫事件】実刑判決が下った渡邊被告のロジカルでドラマチックな『最終意見陳述』があまりにも切ない
http://kamipro.com/blog/?p=16006

記事へと下記のようにコメントさせて頂きました。

渡邊博史様へ 「Hasunoha」お坊さんがこたえるQ&Aサービス http://hasunoha.jp/  是非、ご質問をお待ちしております。とことん共に色々と悩み考えて参りましょう。私たちも全力でお答えさせて頂きます。自殺云々はまたその先ででも。川口英俊合掌九拜

・・

平成26年・お盆施餓鬼法要 法話内容 録画配信Ustream
http://www.ustream.tv/recorded/51379634

「お葬式について」平成26年8月・お盆施餓鬼法要・配布資料
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/0816eb5e788bf5ecfc8eed8e901b1a76

・・

勝義方便メモNo.9
http://togetter.com/li/681727

現在、勝義方便メモ・ツイート随時展開中。
https://twitter.com/hide1125

勝義方便メモNo.9 超宗派系一覧(2014.7.13時点)
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52167906.html

また、追記・訂正等がございましたら、どうか宜しくお願い申し上げます。

「拙理解仏教図式No.7(2014.6.14)」ご提示・再考随時訂正予定
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/f11483ea1a2eb35ce5dcda72284b2bfa

・・

早稲田大学教授の石濱裕美子先生「ギュメ滞在記 (1) 施主と応供の法宴」
http://shirayuki.blog51.fc2.com/blog-entry-720.html

「ギュメ滞在記(2) 怒濤の法話編」
http://shirayuki.blog51.fc2.com/blog-entry-721.html

「ギュメ滞在記 (3) 自由時間」
http://shirayuki.blog51.fc2.com/blog-entry-722.html

憧れのギュメ大僧院・・誠にチベット仏教最高峰の伝統を護られる功徳にご随喜申し上げます。

本来、篤信なる施主があってこそ僧団・寺院が成り立っているという関係を見直す上で参考となります。施主の期待・信頼を失わないように、しっかりと正法興隆、仏法護持、衆生済度の聖業の取り組みに精進努力していかなければならないと改めて思う次第でもございます。

・・

広島豪雨土砂災害義援金について
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52171587.html

・・

「お寺の収支報告書」橋本英樹氏・祥伝社新書 アマゾン・レビュー

http://www.amazon.co.jp/review/R3NYWLQDTJ16ZF/ref=cm_cr_dp_title?ie=UTF8&ASIN=4396113765&channel=detail-glance&nodeID=465392&store=books


山下良道師「青空としてのわたし」(幻冬舎)アマゾン・レビュー
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52164899.html

・・

「なぜ、空と縁起の理法を理解しなければならないのか」
平成26年3月・春彼岸施餓鬼法要配布資料・公開
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/8697c85d36b8f91fac08e58235d9984d

・・

2014.4.14 ダライ・ラマ法王猊下様によるチベット密教・胎蔵曼荼羅灌頂・ご報告
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/bc5c08f69d78bdda5c6cca62d17d87df

ダライ・ラマ法王猊下様今春ご来日動画集
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52160454.html

「偉大なる第十四世の長寿を祈願する如意自在王〔経〕」
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/8f49efb18934ec00993d52e91c603327

・・

NGO「国境なき僧侶団」フェイスブック・ページ
https://www.facebook.com/pages/国境なき僧侶団/578961352183094

・・

東日本大震災から三年・・
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/52156205.html

・・

2013.11.19「空と縁起」に関する拙質問に対してのダライ・ラマ法王猊下様の御回答内容について
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/710b99c74854aebc871a6f75e28dde12

2013/11/19 悲しみから希望を紡ぐ――慈悲の力
http://www.tibethouse.jp/dalai_lama/2013/report/05.html

ダライ・ラマ法王 2013年秋来日報告
http://www.tibethouse.jp/dalai_lama/2013/report/

<ダライ・ラマ14世>増上寺で若手宗教者と対話 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131119-00000036-mai-soci

ダライ・ラマ14世、若手宗教者と対話 中外日報
http://www.chugainippoh.co.jp/religion/news/20131126-001.html

2013.11.19「ダライ・ラマ法王と若手宗教者100人の対話」映像ダイジェスト版
http://www.youtube.com/watch?v=Sg-mUrW4CUU

ダライ・ラマ法王 2013年 来日講演( https://www.facebook.com/hhdl2013japan

11/19 法王来日 増上寺
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.413896315405962.1073741833.389032644558996&type=1

ダライ・ラマ法王日本代表部事務所(チベットハウス・ジャパン)のホームページがリニューアルされて、随分と見やすくなっています。

http://www.tibethouse.jp/

・・

【チベット問題】

チベット問題・焼身抗議等の詳細情報は、チベットNOW@ルンタ・ダラムサラ通信・中原一博氏のブログが参照となります。
http://blog.livedoor.jp/rftibet/

「太陽を取り戻すために チベットの焼身抗議」中原一博氏著
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51799025.html

無償ダウンロード
https://docs.google.com/file/d/0B6cmrkvyxC23QmhCRTZyeWRrNm8/edit

「自らを灯明と化した菩薩たちの願い」〜チベット問題・焼身抗議を考える〜
http://t.co/PwVvYWck

・・

川口英俊の自動配信・デイリー自動情報収集ネット新聞
http://paper.li/hide1125/1307742529


   





カレンダ
2014年9月
 
7
       

アーカイブ
2008年 (187)
5月 (17)
6月 (30)
7月 (32)
8月 (31)
9月 (30)
10月 (20)
11月 (3)
12月 (24)
2009年 (175)
1月 (26)
2月 (20)
3月 (20)
4月 (8)
5月 (18)
6月 (4)
7月 (17)
8月 (9)
9月 (27)
10月 (23)
11月 (2)
12月 (1)
2010年 (62)
1月 (8)
2月 (3)
3月 (3)
4月 (1)
5月 (4)
6月 (7)
7月 (6)
8月 (1)
9月 (13)
10月 (8)
11月 (6)
12月 (2)
2011年 (49)
1月 (7)
2月 (4)
3月 (4)
4月 (4)
5月 (5)
6月 (6)
7月 (2)
8月 (4)
9月 (3)
10月 (3)
11月 (5)
12月 (2)
2012年 (39)
1月 (4)
2月 (8)
3月 (1)
4月 (2)
5月 (1)
6月 (1)
7月 (2)
8月 (2)
9月 (4)
10月 (2)
11月 (7)
12月 (5)
2013年 (25)
1月 (3)
2月 (2)
3月 (1)
4月 (1)
5月 (5)
6月 (1)
7月 (2)
8月 (4)
9月 (2)
10月 (1)
11月 (2)
12月 (1)
2014年 (44)
1月 (3)
2月 (3)
3月 (2)
4月 (5)
5月 (4)
6月 (11)
7月 (4)
8月 (3)
9月 (3)
10月 (1)
11月 (3)
12月 (2)
2015年 (59)
1月 (1)
2月 (2)
3月 (5)
4月 (8)
5月 (6)
6月 (3)
7月 (7)
8月 (11)
9月 (4)
10月 (3)
11月 (5)
12月 (4)
2016年 (34)
1月 (3)
2月 (3)
3月 (5)
4月 (1)
5月 (1)
6月 (4)
7月 (3)
8月 (3)
9月 (5)
10月 (1)
11月 (4)
12月 (1)
2017年 (20)
1月 (4)
2月 (2)
3月 (2)
4月 (1)
5月 (2)
6月 (1)
7月 (1)
8月 (1)
9月 (3)
10月 (3)

アクセスカウンタ
今日:958
昨日:1,829
累計:878,176