「非有・非無の中道」について






2010年09月12日(Sun)
「非有・非無の中道」について
「非有・非無の中道」・・ここの絶妙なるところにおける「深遠なる縁起の理法」の理解が、誠に仏教最大の要諦であります。

「有」というのは、モノ・コトについて、「実体・自性・自相」というあり方であるということに極端に執着してしまった見方(常見)のことであり、「無」というのは、モノ・コトについて、「無実体・無自性・無自相」というあり方であるということに極端に執着してしまった見方(断見)のことであります。

「実体・自性・自相」として、成り立っているモノ・コトは見当たらないことについては、改めてここで説明はもう致しませんが、問題は、「無実体・無自性・無自相」ということの理解について少し補足しておきたいと存じます。

それは、あくまでも「無実体・無自性・無自相」ということを説明しなければならない事態は、「実体・自性・自相」としてのあり方があるという執着を離させるための教説展開に過ぎないということであります。

そのため、「実体・自性・自相」は、非(無)「実体・自性・自相」であり、更には、非「無実体・無自性・無自相」であるということも「非有・非無の中道」においては、理解しておかなければなりません。

つまりは、「無実体・無自性・無自相」も非(無)「無実体・無自性・無自相」として、「無」ということにとらわれて、何か「無」というものがあるとしてしまう偏見も取り除かなければならないこととなります。

そこから、有、無、非有無、非有非無のそれぞれのあり方について、そのいずれもが成り立たない、執着できないという「空」を理解し、最高真理としての「勝義諦」は、戯論寂滅であるというところへと誘っていくこととなりますが、ツォンカパ論師の中観思想における、師の理解では、「非有・非無」は、世俗諦と勝義諦という二諦の解釈を踏まえた上で、「勝義としては、無(非有)であるが、世俗としては、有(非無)である」という独自の解釈展開が行われます。

ここは非常にツォンカパ論師の中観思想を学ぶ上で重要なところであり、ややもすれば、最高真理としての勝義諦は、「非有・非無」としての「戯論寂滅・言語道断」であるのだという理解の陥ってしまう不都合な問題を、ツォンカパ論師はどのようにして解決へと導くことができたのかを考えていかなければなりません。

・・

「中観論者には、主張が無い」とするツォンカパ論師以前の中観思想が占めようとしていた大勢的立場から、コトバの世界において、「非有・非無」について「勝義においては無であるが、言説(世俗)においては有である」として、「中観論者には、主張が有る」と明確に示すに至ったツォンカパ論師の考察過程をしっかりと学ぶことが、「深遠なる縁起の理法」を理解していく上でも誠に大切なこととなります。

・・

「縁起賛」・「ラムツォ ナムスム(道の三要訣)」・「四つの捕われから離れる秘訣」
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/m/197611

「蟻の瓶と象の瓶」齋藤保高氏
http://rdor-sems.jp/index.php?%E8%9F%BB%E3%81%AE%E7%93%B6%E3%81%A8%E8%B1%A1%E3%81%AE%E7%93%B6

教理の考察「蟻の瓶と象の瓶」(齋藤保高氏)・感想1-3
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/51749171.html

チベット仏教ゲルク派 宗学研究所
http://rdor-sems.jp/
ポタラ・カレッジ 齋藤保高氏の個人サイト

「苦楽中道説について」
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/51739221.html

「苦楽中道説について」補足
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/51746333.html

中観帰謬論証派の学びのススメ
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/archives/51597159.html

mixiコミュニティ「仏教・中観思想・空思想を学ぶ」
http://mixi.jp/view_community.pl?id=4629752

仏教・学びの進捗状況全般参照
http://blog.livedoor.jp/hidetoshi1/

集中的に再読していく論著集

「中論―縁起・空・中の思想(上・中・下)」三枝充悳著 レグルス文庫
「大乗仏典14 龍樹論集」 中央公論新社
「講座 大乗仏教7 中観思想」春秋社
「講座 大乗仏教9 認識論と論理学」春秋社
「講座 仏教思想1 存在論・時間論」理想社
「講座 仏教思想2 認識論・論理学」理想社
「チベット仏教哲学」松本史朗著・大蔵出版
「チャンドラキールティの中観思想」岸根敏幸著・大東出版社
「ツォンカパの中観思想―ことばによることばの否定」四津谷孝道著・大蔵出版
「ツォンカパ 中観哲学の研究1」
「ツォンカパ 中観哲学の研究2」
「ツォンカパ 中観哲学の研究3」
「ツォンカパ 中観哲学の研究4」
「ツォンカパ 中観哲学の研究5」
「般若経釈 現観荘厳論の研究」兵藤一夫著 文栄堂
「ダライ・ラマ 般若心経入門」ダライ・ラマ14世著、宮坂宥洪翻訳・春秋社
「ダライ・ラマの仏教哲学講義―苦しみから菩提へ」
 テンジンギャツォ著・TenzinGyatso原著・福田洋一翻訳・大東出版社
「チベット仏教成就者たちの聖典『道次第・解脱荘厳』解脱の宝飾」
 ガムポパ著・ツルティム・ケサン、藤仲 孝司共訳 UNIO
「心の迷妄を断つ智慧―チベット密教の真髄」
 チュギャム トゥルンパ著・宮坂宥洪訳
「チベット密教 修行の設計図」
 斎藤保高著・春秋社
「チベット密教 心の修行」
 ゲシェー・ソナム・ギャルツェン ゴンタ著、藤田省吾著 法蔵館
「チベット仏教 文殊菩薩(マンジュシュリ)の秘訣」
 ソナム・ギャルツェン・ゴンタ著 法蔵館
『ダライ・ラマの「中論」講義―第18・24・26章 』
 ダライラマ14世テンジンギャツォ著・マリアリンチェン翻訳 大蔵出版
「悟りへの階梯―チベット仏教の原典『菩提道次第論』」
 ツォンカパ著・ツルティムケサン翻訳・藤仲孝司翻訳 UNIO
『「空」の構造 -「中論」の論理』立川武蔵著・第三文明社

施本シリーズ

施本「仏教・縁起の理解から学ぶ」
http://oujyouin.com/enginorikai.html
施本・「仏教・空の理解から学ぶ」
http://oujyouin.com/topengi.htm
施本「仏教・空の理解」
http://oujyouin.com/sunyatop.htm
施本「仏教 〜 一枚の紙から考える 〜」
http://oujyouin.com/buddhism1p.html
施本「佛の道」
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